Lighting&Accessory
SAMBA-M
1988
倉俣史朗が1988年にデザインした、ワイングラスの形をした照明。スプーンを使った「水素の夢」と合わせ、台所の小物が照明器具となる、倉俣の独創的な発想によって生まれた。お披露目の会では、点灯させて注いだシャンパンを赤く染め、来場者を驚かせたエピソードも。こうしたユーモアも、倉俣デザインの特徴のひとつだ。発表当時の技術では製作が難しく少量が世に出ただけ。これまでの展覧会でも、数えるほどしか出展されていない「幻の照明」だった。
それがギャラリー田村ジョーの企画で復刻。製造は、ポータブルライトで世界的に注目される日本のAmbientec社が行っている。現代の最新技術を用いた復刻版は、充電式のコードレス照明で長時間の使用が可能なうえ防水処理も施され、使い勝手が大幅に向上。ガラス部分は職人による手吹きと、品質も高い。
Photo: Nacasa & Partners
Dimensions:
本体:約φ80×H212mm (充電台含む:約220mm) 充電台:約φ73×H8mm 重量:本体210g、充電台65g
Country of origin: Japan
Materials: 本体:ガラス、アルミニウム(焼付塗装)、シリコンゴム、ABS 充電台:アルミニウム(アルマイト処理)、シリコンゴム、ABS
K-series
1972
「オバQ」の愛称で知られる照明。これまで最も売れた倉俣作品である。形は、一枚のハンカチの中央を持ち上げたような、重力を感じさせないもの。ドレープのある乳白色のシェードは、四角い一枚のアクリルを120度ほどに加熱し、テニスボールを被せた杭に乗せて熱いうちに数人の手作業で成形されている。型を使って大量生産されているように見えるが、手作業で作られているのが倉俣デザインらしいところ。1972年にプロトタイプが発表され、1982年よりYAMAGIWAで製作・販売されてきた。S・M・L と3つのサイズがあったが、現在製作されているのはMのみ。
Dimensions: W700×D700×H585
Country of origin: Japan
Materials: シェード:乳半アクリル、ベース、鋼塗装仕上げ